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渡辺いっけい<俳優>
2026 年 09 月 01 日 (火)
秋田県二ツ井町(現・能代市)が公募した「日本一心のこもった恋文」コンテストの受賞作からピックアップした手紙によって台本が作られるアーラ・オリジナル朗読劇「シリーズ恋文」。16回目となる今年は、渡辺いっけいさんと羽田美智子さんをお招きしてお届けいたします。
朗読劇といえば…渡辺さんは昨年、黒木瞳さんの企画・脚本・演出・主演の『ルビンの壺が割れた』(※覆面作家・宿野かほる原作の同名小説が題材)に出演されましたね。
はい、黒木さんの相手役で全国8箇所を回りました。普通の舞台なら身体の動きで見せられるところ、朗読劇なら制約もありますが基本的に演じるのは大好きです。すべては演出家次第で、本から顔をあげないで読むことに集中させる方もいれば、例えば黒木さんは観客を楽しませようと途中でダンスを入れたり(僕は踊りませんでしたが…)していましたね。パルコ劇場さんの有名な『Love Letters』シリーズにも高橋ひとみさんと一緒に出たことがあります(1994年)。もう亡くなられた青井陽治さんが構成を担当されていて、彼はとにかく役者が上手く演じようとするのを避けたくて「稽古しないでください」って言うタイプでした。当時、室井滋さんが「ああは言われたけれど、やっぱり内緒でちょっと練習しましょうよ」って勝手に集まっていろいろ作り込んでしまい、本番直前の稽古で青井さんを困らせたらしいと話に聞いて、どちらの気持ちもよくわかると思ってしまいました(笑)。因みに僕が拝見した『Love Letters』でいちばん面白かったのは、しっちゃかめっちゃかの野田秀樹さん&毬谷友子さんコンビの回でした。台本を読みながら「あっ、1行すっとばしちゃった」とかやるアクシデント系で、会場のお客さんも巻き込んでいましたが、僕もどっちかというと本能的にそういうのが得意かもしれません。
今回の演出を担当される田村孝裕さんとは、2015年に藤山直美さん主演の『おもろい女』でご一緒されています。
確かあの作品が最初でしたね。それから仲良くなって彼の所属する劇団ONEOR8の芝居などを観に行くようになりました。僕は藤山さんとは初対面だったのですが、田村さんは何度もやられているみたいで、彼女が「先生、先生」って呼んで凄く信頼している様子が印象的でした。演出家の中にはわかりやすく感情をすぐ顔に出される方(ある意味それでプレッシャーを与えているのですが…)も少なくないのですが、彼は結構ポーカーフェイスなところがあって、この人本当のところはどう思ってるんだろうって、よく考えさせられたものでしたが、意外と「普通じゃつまらないですから」みたいなことを言ったりする、とんがった面もある。だからきっと、今回もただずっと座りっぱなしとかではなくて、何か面白い事を考えてくれそう。もちろん淡々と朗読をするのも意味があると思います。目を閉じてじっと聴き入っているお客さんもいらっしゃるので。

これまで14組の実力派がアーラのステージを飾り、恋人や配偶者に宛てたメッセージから、密かな恋心や感謝の気持ち、天国へ旅立ってしまったパートナーへの想いを綴ったものなど様々な手紙を読んでいただきました。断片ですが、それぞれにリアルな人生が詰まっているので、毎回、感動を呼びます。
錚々たる面々です、コンセプトも素晴らしい! 朗読劇はコロナ禍以降、また盛んになってきましたね。僕が観て吃驚したのは、手に持っている台本の束を読み終わったらどんどん捨てていくサスペンス・ドラマで、紙が薄くなるにつれて緊迫感が高まるのが見事でした。まあこの「シリーズ恋文」で台本をぱっと投げたりはしないと思いますけど(笑)。ピアノの生演奏との絡みなどは期待しております。

羽田美智子さんとの共演は…
同じドラマの出演者同士だったことはありますが、がっつり共演するのは今回が初めてだと思います。役者仲間から素敵な評判を聞いていますし、ご本人は否定されるかもしれませんが天然キャラゆえのエピソードも沢山耳にしておりますので(笑)、お目に掛かるのが凄く楽しみです。
渡辺さんご自身の“手紙”にまつわる想い出などはありますか?
僕らの時代はLINEやEメールもなかったし、まだ交換日記とか文通欄とかの文化もあったと思いますが、自分は筆無精でラブレターも書いたことないんですよね…好きな子には面と向かって直接言うかも(笑)。いただいた手紙で忘れられないのは、やはりファンレターでしょうか。なかには個性的なものや強烈なものもありましたから。
ところで愛知県の豊川市(旧 宝飯郡一宮町)のご出身ですね。
愛知でも浜名湖に近い側で、豊橋の隣です。9月開幕の第20回アジア大会(2026/愛知・名古屋)には豊川市の代表で聖火ランナーとして参加する予定です。昔は故郷に背を向けるようにして生きていたのですが、豊橋出身の平田満さんが地元の演劇に関わるようになってきたのを横目で見ているうちに、いつのまにか自分もそうなっていました。ありがたいことですが、少し天邪鬼な性格なので、皆さんの期待に応えつつも、どこか裏切りたいような気持ちも…(笑)。
取材/東端哲也 写真/中野建太 協力/フリーペーパーMEG
シリーズ恋文vol.16
2026年
11月14日(土)14:00~(13:30開場)
11月15日(日)14:00~(13:30開場)
可児市文化創造センターala 小劇場
チケット発売日
9月26日(土) 9:00~
※電話予約は発売日の翌日9時から
料金
全席指定4,000円
25才以下2,000円
※未就学児入場不可
プロフィール
渡辺いっけい
IKKEI WATANABE
1962年、愛知県出身。大阪芸術大学在学中に「劇団☆新感線」に参加。その後「状況劇場」に入団し、俳優としてキャリアを積む。退団後、NHK連続テレビ小説『ひらり』の出演がきっかけとなり、ドラマ、映画、舞台に活動の幅を広げ、その個性的なキャラクターで人気を集める。