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ala まち元気プロジェクトレポート

多文化共生プロジェクト2023

2023 年 08 月 26 日 (土)

わたしたちの見えない境界線を、想像して、見る

外国籍市民の人口が約8%と高い可児市において、様々なルーツを持つ人たちのために劇場が出来ることは何かと考えた末に出た答えの一つが「一緒に演劇をやること」です。単純な優劣を付与することなく多様な価値観、文化や身体の違いを内包でき、互いの確かなコミュニケーション無くしては成立しない「演劇」、舞台作品を共に創造することは、つまり「共生」そのものにダイレクトに繋がっていきます。

2023年は前年に引き続きドキュメンタリー演劇作品『BORDER』の公演を行ないました。参加者(出演者、非出演のサポーター)から実体験を取材し、それを元に作品を創る「ドキュメンタリー演劇」は、創る側の想いが込めやすく、観る側にも伝わりやすい手法です。実際に参加・出演した方の中には、自分の職場での苦境を訴え、それを舞台化することで気持ちが軽くなり、稽古場では自分が受け入れられ、開放される感覚を味わえたと言う人もいました。そんな舞台を観て、とても深い共感が得られた、改めて多文化共生の状況がよく分かったという人もいます。

もっと多くの人たちに知ってもらうべきだというご意見も頂いていたので、今年はアーラでの公演以外の活動機会も積極的に増やしていきました。先ず『BORDER』の公演は、外国籍市民が比較的多く住む可児市土田地区の会場でも行い、公演終了後には観客を交えた交流会も実施し、別イベントへのステージ出演や、参加者同士の交流を深めるためのバーベキューイベントなども行ないました。また、「多文化共生」のキーワードは可児市以外でも近年注目が集まってきていることもあり、他県での多文化共生研究の催しに出席したり、メディアの取材・露出も増えてきました。

我々が目指す、豊かな多様性を持った共生社会へ少しでも近づくために、少しづつこのプロジェクトを広めていきたいと思います。

公演アンケートより抜粋

・ボーダーは、なくすものでものりこえるものでもないという言葉に感銘をうけました。又、来年も観に来たいです。

・ありがとうございました。感動しました!私たちが感じていることを表現していただき、涙がでました。ボーダーは自分自身が作っていることもあると教えてもらいました。

・素晴らしい公演でした!もっと作品が成長して、日本中を回り、皆さんに見てもらいたいです。参加できる日を楽しみにしています。

日程

稽古:6/18~8/12(計7回)
本番:8/20(日)2回
   8/26(土)2回
   2/4(日)2回

会 場

土田地区センター、ala演劇練習室・レセプションホール

集客数

127人

参加者数

16人

講師

作・演出:鹿目由紀
振付:堀江善弘
演出助手:カズ祥

アドバイザー

住吉エリオ
山田久子

主催

(公財)可児市文化芸術振興財団

協力

多文化演劇ユニットMICHI
NPO法人可児市国際交流協会

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