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ala まち元気プロジェクトレポート

おでかけ落語会

2025 年 04 月 25 日 (金)

笑って育む想像力

「この中で、<落語>観たことある人、手を挙げてみてください」

開口一番、司会(同行の職員がやります)は挨拶に続いて先ず、これを聞きます。10人も手が挙がれば吃驚するくらいのもの。<落語>を<笑点>(ご存じ人気テレビ番組)に変えると、かなりの数、時にはその場の殆どの子が手を挙げます。しかしあれは「大喜利」であって、「落語」とは違う。ではみなさんに、本物の「落語」を体験してもらいましょうということで、みんなで「師匠~!」と呼びかけて出囃子が鳴り、師匠登場と相成ります。

アーラが「おでかけ落語会」で可児市内の公立中学校(時に高校も)を廻り始めて、早4年となりました。おかげさまで毎回各所ご好評頂いていますが、何がそんなに好評なのか?

噺が面白いから?

もちろんそれもありますが、桂やまと師匠の「おでかけ落語会」には、それだけではない理由があります。

やまと師匠は先ず、落語との出会いを丁寧にプロデュースすることから始めます。「噺家の身一つで語る落語は、観る人の想像力で成り立ちます」と仰る師匠。懐から取り出した手拭いが書付になり、掴んだ扇子が箸となり蕎麦を手繰る。時に立ち会った先生の手を借りながら落語における所作、動きの意味やお約束の解説を続けるうち、生徒たちは笑いながら自然と話に引き込まれていきます。いよいよ最後に噺をやる頃には、皆完全に落語を楽しむ姿勢で、場内笑いの渦。一席終えての締めの言葉は「人生を楽しく生きるには、相手の気持を考えられる想像力が大事です。落語は観る側の想像力で成り立つ芸だから、つまり落語で笑えるということは、その想像力をもう持っているということ。その想像力をもっともっと伸ばしていってください」で、お開き。学び、発見、気づき、自己肯定、全てを無意識に、笑いながら1コマの授業時間で得ているという見事さに、毎度感服してしまいます。

文化芸術、芸能に限ったことではありませんが、「出会い方」というのはとても大事だと思います。アーラの「おでかけ落語会」は、可児の子どもたちが<落語>と素敵な出会いをして、これからの人生の良き糧となる、そんなことを願いながら行なっています。

創造事業課 中尾

アンケートより抜粋

今まで実際に落語の公演を見たことがなかったけれど、今回の「おでかけ落語」を通して、そのおもしろさに気づくことができ、より興味を持つことができました。自分の人生を豊かにするためにも、次回の公演にも足を運びたいと思いました。また、最後のお話では、これから大切にすると良いことについても語られたので、自分にとって良い経験になりました。

最初から、話しがめちゃおもしろくて楽しかった!最後に、今後の人生について話があり、人の気持ちを考えて会話することが大切だと分かりました。これから、友達や先生と話すときに気を付けていきたいです!!

落語のやり方や、落語で使う道具など、今日1時間でいろいろなことが知れました。特に落語に必要なのはイメージ、想像力が大切だと分かりました。今日はありがとうございました。

日  程

2025.4.21~4.25

対  象

市内中学校 5校
東可児中学校、中部中学校、蘇南中学校
西可児中学校、広陵中学校

参加人数

912名

出演者

桂やまと

協  力

可児市教育委員会

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