Report
ala まち元気プロジェクトレポート
エイブル・アート展 ~拡張する世界~
2026 年 07 月 19 日 (日)
障がいのある人の作品「可能性(able=エイブル)の芸術」展覧会
17回目の開催となった今回のテーマは「拡張する世界」。突き詰められた豊かな表現には、鑑賞者を想像の世界にいざない、みる人の世界観を拡張する力があります。今回はそんな5人のアーティスト作品が紹介されました。
■長田恵(たんぽぽの家アートセンターHANA/奈良)
今回のエイブル・アート展フライヤーのメインビジュアルにも採用させていただいた長田恵さん。会期スタートの7月11日、制作現場を公開くださいました。長田さんの作品は長い時間をかけて描かれるものが多く、小作品でも半年~1年、大きな作品になると3年以上かかると伺っていましたが、実際に描いているその様は、ゆっくりと、じっくりと、一筆一筆が運ばれ色が重なっていきます。ゆっくり話される長田さんが醸し出す雰囲気と、生み出される作品たちの優しく柔らかい雰囲気がとてもマッチしていると感じます。公開制作をご覧になったお客様からは、制作中のこの作品が完成したらまたエイブル・アート展でみてみたいとリクエストが挙がっていました。


■吉原悠真(オープンアトリエmirumiru/奈良)
大胆な構図に動物や昆虫たちが緻密に描かれ圧倒的なインパクトを放つ吉原さんの作品。会期初日に来館くださり、たんぽぽの家スタッフさんによるギャラリートークの際には、展示している作品の中でお気に入りを尋ねられると、即答で中央に大きく龍の描かれた最新作を指さしていました。吉原さんの作品には、何枚もの画用紙が付け足されたものがあります。まるで描きながら世界観が無限に広がっていったようで、もしかしたらこの作品はまだ続きがあるのではないかと感じさせるほど、まさに「拡張する世界」です。描かれる生きものたちは、パワフルでありながらその瞳にはどこか優しさが宿っていて、吉原さんの優しさが現れているのか、あるいは優しい気持ちになれる環境で描かれているのか、想像が広がります。


■植田恵生(コルメナ/大阪)
乗り物、時計、動物、虫、野菜、妖怪 …仲間ごとに1枚に丁寧にまとめられた植田さんの作品は、来場のお客様から、このままシールにして販売してほしいと声があがるなど、販売していたポストカードも完売するほど大人気。イラストの一つひとつがキャラクターグッズのように愛らしく、そして仲間集めの方法も例えばサルの集合体にはドテチンもいればジョージもいればアメディオもいればサルのロボットまで仲間入りとユーモアがあり、アルファベットのA~Zの順に動物を描いたものも。大好きなチョコレートの包み紙からはじまったというアルミホイルの動物や昆虫の作品は、作品展示の高さが子ども達の視線にちょうど良く、夏休みの工作の参考にしたいと訪れた小学生が言っていました。


■湯井亮(片山工房/兵庫)
画面のすみずみまで丁寧に丹念に車と背景が描きこまれているのが湯井さんの作品。いずれの作品もその中央に鎮座するのは色鮮やかな車たちで、全てがミニカーとのこと。手のひらサイズのミニカーが、湯井さんの作品の中ではときに人を乗せ、大阪やロサンゼルスやハワイなどの鮮やかで賑やかな背景を背負い、まさに主役として存在しています。会期中に会場を訪れてくれた湯井さんは、ご自身の作品が一堂に会するコーナーを嬉しそうにカメラに収めていました。隙のない作品たちとは反対にとてもフレンドリーに私たちスタッフに対してもお近づきになる隙を与えてくださる湯井さん。好きな車、好きなアニメ、好きな場所、まるで大好きなものが詰め込まれた宝箱を見せてもらったようでした。


■三井啓吾(やまなみ工房/滋賀)
会場の中央で圧倒的な〝赤″を放つのが三井さんの作品。力強いその筆遣いは、実は筆ではなく指で描かれているという。キャンバスを机に置き、パレットも使うことなくキャンバスに直接、絵の具のチューブを垂らし寡黙に描き進めるそうです。作品から放たれる強さに対し、キャプションに目を移すと「ふうせん」と、何とも軽やかで儚さのあるものがモチーフであったのかと知り再び作品に目を移します。よく見ると、銀色の絵の具の中蓋部分がいたずらのように潜んでいて、まるで「見つかっちゃった」と言っているような茶目っ気も。キャンバスの側面にも指跡が続き、まるで作品自体が拡張していく様をみているようです。


5人のアーティスト作品と同時展示されたのが、可児市内支援学級児童・生徒12人の作品。毎年、これを目的に来場されるお客様もいるほど人気のコーナーです。
会場入り口には恒例のプチ・ミュージアムショップも開店。今年も大好評で作家さん関連グッズを前に「かわいい!」という声が何度も飛び交っていました。




創造事業課 渋谷
日 程
2026年7月11日(土)~19日(日)
会 場
可児市文化創造センターala 美術ロフト
出展作家
長田恵(たんぽぽの家アートセンターHANA/奈良)
吉原悠真(オープンアトリエmirumiru/奈良)
植田恵生(コルメナ/大阪)
湯井亮(片山工房/兵庫)
三井啓吾(やまなみ工房/滋賀)
可児市内支援学級児童・生徒
集客数
541人
主 催
(公財)可児市文化芸術振興財団
共 催
可児市
企 画
(一財)たんぽぽの家、(社福)わたぼうしの会