Essay

エッセイ・連載

アーラコレクションとウェルカムシアターについて

2021- 館長 篭橋義朗

2026 年 07 月 01 日 (水)

アーラコレクションはこれまでに16作品を制作、公演してきました。これは過去の優れた戯曲に焦点を当て、リメイクして作品を再評価するプロジェクトとしてスタートしましたが、最近では新作にも挑戦しています。基本的には「新作を含めて質の良い演劇作品をキャストやスタッフが可児市に滞在して可児市発の作品を創る」ことに進化してきました。これまでの作品を生み出し、公演してきたことを評価していただいた結果、演劇界でも話題となりこの手法で作品を制作したい、という演劇関係者が現れてきたことに応える現象でもあります。今後も継続していきたいと思っています。ただし今年度はいったん休止することになります。

今年度は新たにウェルカムシアターとして「たけとりKAGUYA」をアーラコレクションシリーズと同じ手法で制作公演します。これは新しい観客を創造する入り口として、これまではなかなか地域の演劇を鑑賞することがなかった層(青少年、ファミリー)に向けての提案です。演劇鑑賞人口の増加に資する挑戦として私たちは考えています。ともすると難解であったり多くの作品を見続けた一部の演劇愛好家にしか評価がされない作品が評価される現状では、これからの日本の演劇の将来は期待できません。特に地方にある劇場にとっては上質といわれる作品を上演しても有名な俳優が出演していなければ、ほぼ集客が見込めません。演劇を鑑賞する土壌が育っていないのです。

アーラでは演劇やクラシック音楽や伝統芸能を素材として乳幼児から小中学生に様々なワークショップや体験をする機会を作っています。また「あしながおじさんプロジェクト」でアーラに足を運んでくれる子どもたちを招待しています。そのような活動を地道に続けていく過程で実演による舞台芸術を体験したいという動機を醸成しています。それが地域劇場の役割であると思います。 今回のアーラウェルカムシアターもその延長線上にあります。ファミリー対象の舞台芸術はいまだに「ピーターパン」や「ピノキオ」や「美女と野獣」です。海外ではそのような作品を育て続けてきた結果が表れています。今回私たちは「かぐや姫」で挑戦したいと思います。

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