Essay

エッセイ・連載

もっとアーラを市民に(市民アンケート調査から)

2021- 館長 篭橋義朗

2025 年 12 月 01 日 (月)

可児市文化創造センターala 館長 篭橋義朗

 可児市の市民アンケート調査の結果が市のホームページで発表されました。その中で「可児市の自慢できるもの」という項目では、「ぎふワールド・ローズガーデン」が約58%と最も高く、次いで「文化創造センター アーラ」が約29%、「鳩吹山」が約22%となっています。特に10代で「アーラ」が約33%と、世代別では70代以上の約39%に次いで高いことから、子どもたちにもアーラを誇りに思ってもらえていることが分かり、とても嬉しい結果でした。また、「可児市に今後も住み続けたいと思う」と回答した人の割合は約 90%。その理由としては、「生活の利便性が高いから(通勤・通学・交通・買い物・遊びなど)」が約42%で最も多く、次いで「家族(親族)が近くにいるから」が約37%、「可児市が好きだから(人・地域・つながり・自然・景観・歴史・文化・芸術など)」が約35%でした。さらに、「可児市に対して愛着を感じている」「どちらかといえば愛着を感じている」を合わせると約84%にのぼり、非常に高い数値となっています。


 9月から10月にかけて上演した「アーラコレクション・ハハキのアミュレット」では、南果歩さんや平田満さんをはじめとする約20名の出演者・スタッフが約1カ月にわたり可児市に滞在しました。その際に伺った可児市の印象として、「山や川に囲まれた自然豊かなまちでありながら、都市的な生活環境も整っていて、人が暮らすのにちょうどいい環境」、「アーラはイベントがない時でも子どもや大人が来館しており、いつもにぎわいがある。こんな劇場は見たことがない」「近所のスーパーや美容院、飲食店などで市民のあたたかさを感じた」「鳩吹山に沈む夕日が絶景」「人があふれる東京での生活から離れ、ゆったりした時間の中で演劇に打ち込めたことは何物にも代えがたい体験だった」などの声をいただきました。改めて、可児市が持つ魅力と強みを客観的に見つめ直すきっかけになったと感じます。


 可児市政の重要なキーワードである「住みごこち一番」を実現するためには、地域への愛着と、他者とのつながりの豊かさが欠かせません。アーラはこれからも、文化芸術を通してその「つながり」を育み、可児市民に届けていきたいと考えています。

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