Essay
エッセイ・連載
市民と共に歩み続けるアーラ
2021- 館長 篭橋義朗
2025 年 06 月 01 日 (日)
可児市文化創造センターala 館長 篭橋義朗
先日、アーラのフロントスタッフを長年務められたお二人の方が引退されるとのことで、ささやかな送別会が催され、私も参加させていただきました。20年以上にわたるご尽力に心より感謝を申し上げるとともに、これまでのさまざまな思い出について改めてお話しする機会となりました。年間 公演以上開催されるアーラにおいて、仮にその半数にご参加いただいていたとすれば、これまでに少なくとも300を超える公演に携わっていただいたことになります。フロントスタッフの仕事は、公演時のチケットもぎりや客席案内などを通じて、お客様の鑑賞体験をより良いものにする大切な役割です。実際にお客様から寄せられるアンケートの中にも、スタッフの笑顔や丁寧な対応に対するお褒めの言葉が数多く見受けられます。これまでのご経験を伺う中で、「お客様からのお礼の言葉が何より嬉しかった」「日常から離れて、別の環境に身を置きたかった」「仕事ではなく、ボランティアだったからこそ、続けられた」といったお話が印象に残りました。現在、フロントスタッフは、ベテランから新人まで33名のスタッフの皆さんが、それぞれにやりがいを感じながら活躍しておられます。スタッフ同士の交流の中で新たな人間関係が生まれ、それが人生の豊かさにもつながっているように感じます。
もともと可児市は、生涯学習が盛んなまちとして知られており、アーラも開館以来、多くの市民ボランティアの皆さんに支えられてきました。アーラという市民の財産を、市民参加によって運営するという仕組みは、全国的に高く評価されています。今年度も、まち元気EXPOやアーラコレクション、市民ミュージカルなど多彩な事業が進行中です。それぞれにサポーターを募りますが、毎回、手を挙げてくださる市民の方もいらっしゃいます。これは、可児市の「元気さ」を象徴する光景です。自分にできることを通じて誰かの役に立つという体験が、自身の心の豊かさや喜びにつながるのではないでしょうか。
アーラは、市民ボランティアの皆さんと共によりよい事業づくりに取り組んでいます。これからも、市民の皆さんと協働しながら、アーラの事業を共に展開していきたいと考えています。