Essay

エッセイ・連載

不易流行について

2021- 館長 篭橋義朗

2026 年 02 月 01 日 (日)

「不易流行」とは、松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の間に体得した概念です。「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」と説かれています。つまり、普遍的な真理を理解していなければ、物事の基礎を築くことはできない。そして時代の流れを取り入れなければ、新しい進展は生まれない。「不易(不変)」と「流行(変化)」、この両方の視点を持ってこそ、真に価値のあるものが生み出されるという考え方です。

 私たちは今、AI(人工知能)をはじめとする最新技術によって人間の活動が劇的に変化しつつある時代に生きています。私事ですが先日パソコンを新調しました。そしてそのパソコンを新たに設定し移行するために知人にお願いして作業をしてもらいました。その過程に立ち会っていましたが、その知識も技術もなく説明書すら理解できない私は傍観するしかありませんでした。スマホも電話とメールとカメラ機能だけで他の利用方法を知りません。もったいないことをしています。技術の進歩や考え方の変遷に対応するために自身の変化への対応が迫られています。

 一方で、ハラスメント等の問題については、「人権を守り、尊重する」という基本に立ち返って考えていきたいと思います。「他人の嫌がることをしない」「世間さまに迷惑をかけない」「お天道様さまが見ている」といった言葉は、古くから語り継がれてきた戒めです。これらは決して新しい概念ではなく、長い歴史の中で磨かれ、今なお残されてきた価値観だと言えます。そうした格言や慣用句を大切にしながら、時代の変化に向き合っていくことが重要だと考えています。

 アーラでは、市民ミュージカル『君といた夏』を半年かけて制作し、今月公演を迎えます。 昭和49年の可児を舞台に、「家族の再生」「いのち」「友情」といった普遍的なものがテーマです。ミュージカルには、何十年も変わらず愛される物語(不変)がありますが、同時に、今回のメンバーでしか作れない輝き(変化)もあります。「家族の再生」「いのち」「友情」といった普遍的なメッセージを新たなキミナツメンバーでお届けできたらと思っています。

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