Event report

公演レポート

「対決!オドロ村の怪人~嗚呼、たそがれの少年探偵団~」

2025 年 09 月 18 日 (木)

大人だって楽しいんだもん!

舞台に限らず、内容について大まかな方向性を表すために「〇〇向け」という表現を使うことがあります。「大人向け」だと、暴力的・性的表現があるため未成年が観ることは好ましくなかったり、「こども向け」だと表現方法や扱う内容が幼児でも理解しやすいように単純化されていて、大人が観ても楽しみづらかったり。ざっくり言うと「〇〇以外の人は、来ても楽しくないかもよ?」という事を、予め伝えようとするわけです。

では「親子向け」は、どうでしょうか?

おそらく字面の印象的に「こども向け」に近い内容だと考えている人も結構いるし、そういう意味で使用している人もいるのではないかと思います。または「親子セットの人達だけ」を対象にしているものじゃないかと。

しかし、少なくともアーラの場合は、違うのです。

「親も子も、同じように楽しめる内容です」という意味で使っています。もちろん「親=大人」なので、大人だけで来ても楽しめるクオリティのある作品ということです。

今回の「対決!オドロ村の怪人~嗚呼、たそがれの少年探偵団~」(以下、「オドロ村」)も、そんな「親子向け」の舞台でした。

「オドロ村」は、愛知児童・青少年舞台芸術協会(愛児協)設立40周年の記念作品として、協会加盟団体から選りすぐりの方たちが出演する舞台作品です。加盟団体としては劇団はもとより、楽団、バレエ団、人形劇団、クラウン(道化師)のカンパニーとバラエティに富んでいます。こういう方たちが一緒に活躍するオリジナル演劇作品を上演するわけです。主人公こそ小学生ですが、原作は江戸川乱歩の『怪人十面相』で脚本・演出は佃典彦氏、音楽はほぼ舞台上での生演奏で歌あり踊りありと、大人でも楽しめる要素が盛りだくさん。終演後に「ミニバックステージツアー」と称して、演奏や人形の解説をしつつ、実際に舞台にも上がってもらったのですが、子どもたちだけでなく、大人たちも興味津々で楽しんでおられました。

私たちが、もっとたくさんの子どもたちに劇場に来て欲しい、舞台を見て欲しいと思ってあれこれ企画するのは、出来るだけ早く「劇場」を知って、良い「舞台」と出会い、劇場に出かける習慣を持って欲しいと願うからです。

でも、知る事、出会う事、そして楽しむ事に年齢は関係ないとも思います。

楽しいものは、みんなで共有したいですよね!

創造事業課 中尾

公演アンケートより

生演奏、すごく迫力があって良かった。子どもにもわかりやすいストーリーだった。(40代・女性)

ドキドキハラハラして、面白くて、いっぱい笑いました。(9才・女性)

子どもさんが多く参加していて、とても楽しかった。今までにない劇で、身も心も踊った。こんなのもいいなーと思った。(70代・女性)

楽しく見ることができました。バックヤードツアーがあるのがうれしい。(女性)

日 程

2025年8月23日(土)14:00

会 場

可児市文化創造センターala 小劇場

原 作

江戸川乱歩

脚本・演出

佃典彦

出 演

まつもとぎんこ(演劇企画ポカラの会)、伊藤順一(演劇人冒険舎)、宮田智康、宮川希実、南村浩志、田中琴弓(以上4名 劇団うりんこ)、夏目みほ、松山理映、緋山輝(以上3名 総合劇集団俳優館)、髙橋幸誠(人形劇団パン)、八幡美佳、辰巳博昭、髙木いわな(以上3名 人形劇団むすび座)、岩本有里子(松岡伶子バレエ団)、Chang(ラストラーダカンパニー)、小林辰哉、木村勇介、石井郁也、櫻井汐里(以上4名 和太鼓×マリンバGONNA)、青木沙也果、荻本美帆(以上2名 セントラル愛知交響楽団)

集客数

148人

企画制作

愛知児童・青少年舞台芸術協会

協 力

ジョイントフェスティバル協議会

主 催

(公財)可児市文化芸術振興財団

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