Report

ala まち元気プロジェクトレポート

演劇ワークショップリーダー養成講座 入門編

2025 年 05 月 18 日 (日)

大事なのはメニューじゃない」

「ワークショップ」というものが、日本で初めて行われたのが今から80年ほど前だと言います。もともと学術分野で使われていたのが、一般的に広く使われ出したのが1980年代辺りからなので、そこから数えてももう40年ほど経ちます。今や学術に限らず、ビジネス、アート、教育、クラフト、様々な分野で日々多くの「ワークショップ」が行なわれています。だから、「ワークショップ」と聞いて、どういうものか分かる、或いは何となく想像はつく、という人は多いと思います。

じゃあ、ワークショップ、できます?

と聞かれて、「できます!」と答えられる人は、しかしまだまだ少ないと思います。

それでは、できるようになりたいですか?

と聞かれて手を挙げたのが、「演劇ワークショップリーダー養成講座」の参加者のみなさんです。

ワークショップの有用性は、今や枚挙に暇がないほど多くのところで語られていますが、実際にそれを主導して行える人材の数は、まだまだ充分とは言えません。特に、地方では不足しがちな分野です。だったら自分たちで人材を育てていこうというのが、この講座の目的です。昨年初めて実施して、今回で2回目(2年目)になりますが、演劇関係者はもちろん、会社員、市民団体の方から医療関係に公務員、現役の先生も参加されています。これからワークショップをやってみたいという方だけでなく、自分の活動分野に活かしたい、今やっているもの、自分の技術をブラッシュアップしたいという方までいらっしゃいます。「ワークショップをやる人のためのワークショップ(講座)」というのが、意外と無いんです。

講師は我らが文学座が誇るベテランワークショップリーダー・植田真介さん。日本全国津々浦々、老若男女プロ・アマチュアを問わず、多数多様なワークショップを行なっている方です。講座のテキストも、植田さん手ずからご自身の抱負な現場経験を踏まえて作られた特別なもの。これ一冊読めば、ワークショップリーダー(ファシリテーター)の基本的なことは大体学べます。

しかし、座学の知識だけでは足りないのがワークショップリーダー。頭では分かっていても実際に現場に立つと上手くいかない、現場の変化に即座に対応できないということはよくあります。なので、この講座では、受講者がリーダーになってメニューを組み立てて、実際にワークショップをやってみることに、多くの時間を割いていきます。

そして植田さんは言います、

「どんなゲームをやるかよりも、ゲームを使ってどうやるかが大事です。極端な話、自分の得意なゲーム一つで、ワークショップを組み立てることも可能です」と。

どんなワークショップでも、大事なのは「組み立てたメニューを参加者にやらせること」ではない。「メニューをやることによって、参加者(達)がどうなるか」ということ。そのために、リーダーに求められるのは、参加者それぞれの状態に目を凝らし、変化を見逃さない事。

そんな基本から、丁寧に身に付けられるのが、この講座なんです。 そしてここから、確かな力を持ったワークショップリーダーたちが、社会のあちこちへ巣立っていきます。

創造事業課 中尾

アンケートより抜粋

将来児童福祉施設で働きたいと思っているので、そこでのレクリエーションやコミュニケーションで活用したり、演劇サークルで活用できたらと思っています。(大学生)

とても楽しく学ばせていただいた2日間でした。新しい出会いもあり、人との繋がりができたのは本当によかったです。(パート従業員)

ファシリテーターの心構えと技術を知ることができた。自分の傾向が分かり、改善のヒントをもらえた。普段会わないような色々な人と知り合うことができた。(学習塾経営)

演劇的手法を使ったWSの長い経験にうらうちされた具体的な内容で、とてもきめ細かく話されていたことがとても印象的でした。今の日本にとって、子どもたちにとって、必要なもの、大切な意味合いも含めて、とても充実した2日間でした。(脚本執筆)

授業の中での導入やアイスブレイク、学級経営や職員間でのコミュニケーションなどで活用したいなと思います!(小学校教諭)

日  程

2025.5.17~18

会  場

演劇ロフト

実施回数

2回

参加者数

22人

講  師

植田真介(文学座所属・俳優)

一覧へ戻る
アーラまち元気プロジェクト