『エイブル・アート展』 – 彼方の風景 –
2022年07月01日
障がいを持つアーティストによる展覧会
「多様性は人生のスパイスである」有名な英語のことわざだ。多様性が求められる今の社会では一層心に響く。しかし人は知らず知らずのうちに固定観念に縛られ、時として偏った物差しを生み出してしまいがちだ。歴史を振り返れば、マイノリティへの差別やいじめ、偏見はその偏った物差しの現れだろう。
7月に今年で13年目となる障がいを持つアーティストによる 『エイブル・アート展』 をアーラで開催した。『エイブル・アート』、日本語では 「可能性の芸術」 である。作家らによるありのままの表現は強烈な個性で、人々の物差しを「ぐにゃっ」と押し曲げるような不思議な力強さがある。ただ曲げるだけではない。ユニークさを感じるもの、温かさや懐かしさを感じるもの、時には何か胸に込み上げてくるものもある。「どうしたらこんな表現ができるんだ」「見ているだけで元気がもらえる !」
そんな言葉が来場者の口を衝く。多様性のある社会が如何に楽しく豊かなものか、理屈抜きで体現している。それこそが 「可能性の芸術」 である。
同時期に開催した、誰もが自由に表現活動ができる 『みんなのオープン・アトリエ』 という企画では、小さな子ども達や障がいのある方々が中心に参加した。企画実施したTASCぎふのスタッフさんは云う。
「社会は変化を求めようとする。でも、変化を求めず、ありのままを受け入れる場があってもいいのではないか。」
参加者が自由に思い思いに描いている姿を見ているとその言葉が胸に沁みる。何かを表現することは他者の目に晒され、恐れや勇気を伴う。ありのままの自分が安心して表現できる場所は、今の社会では作りづらいことなのかもしれない。でもだからこそ人々はそういう場を求めているのだろう。そう考えると、次回も頑張ろうと自然と力がみなぎる。企画実施していただいた、たんぽぽの家とTASCぎふのスタッフさんには心から感謝したい。
事業制作課 澤村
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『エイブル・アート展』 – 彼方の風景 –
日程 7/17~25
会場 ala 美術ロフト
主催 可児市
実施 (公財)可児市文化芸術振興財団
企画・協力 (一財)たんぽぽの家、(社福)わたぼうしの会
協力:(公財)岐阜県教育文化財団 TASC岐阜