永遠に続く文化創造活動

2024年12月1日

可児市文化創造センターala 館長 篭橋義朗

 12月を迎え令和6年の幕が閉じようとしています。今年は1月1日の能登半島地震に始まり、追い打ちをかけるように9月に見舞われた能登半島豪雨と、能登は今も復旧活動や避難者支援が続いています。全国でも記録的豪雨が各所で発生し、日本が災害大国であると痛感しています。被害でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表するとともに一日も早い復旧、復興を祈念いたします。


 10月14日から岐阜県で開催された「清流の国ぎふ」文化祭2024の開会式に参加させていただきました。その冒頭に輪島市に伝わる御陣乗太鼓が披露されました。これは戦国時代の上杉謙信の兵を打ち負かしたことが由来です。地域を守るため、鬼や亡霊の面に海藻の髪を振り乱しながら太鼓を打ち鳴らしたものですが、これが今に伝えられ石川県の無形民俗文化財とされています。私にはそれが地震や大雨に抗う輪島の人たちの心情を表現しているように見えました。開会式では白川郷の「こだいじん」、高山祭の「屋台囃子」、下呂の「龍神」、蛭川の「杵振り踊り」、「谷汲踊り」、本美濃紙「紙すきの歌」、そして地歌舞伎など、自然への感謝と人々の営みから育まれた伝統文化が披露されました。そして「郡上踊り」と子ども達の合唱がフィナーレを飾り、清流文化の交流の祭典にふさわしい感動の幕開けでした。岐阜県のすばらしさ、自身のアイデンティティを再確認した時間でした。式典の中で司会を務められた竹下景子さん、朗読をされた紺野美沙子さん、地歌舞伎を紹介された葛西聖司さんは重要な役割を果たされましたが、3名ともアーラと深い関係を持っている方々でとても誇らしく思いました。


 「清流の国ぎふ」文化祭2024は11月24日に閉幕しましたが”ともに・つなぐ・みらいへ”を合言葉に、これからの文化芸術創造の拠点としてのアーラもさらに活動していかなければいけないと思っています。世界に誇る「美濃桃山陶の聖地」である可児市はこれからの多様な文化や芸術がさらに創造できる素地があります。私が思い描く可児の姿は、多数の市民が日常的に多様な文化芸術を身近に体験、創造しながら文化の薫り高い心豊かな生活を営んでいるまちです。