大型市民ミュージカル「君といた夏~スタンドバイミー可児~」舞台公演代替企画
「みんなでつくる「キミナツ」ムービー」プロジェクト

2022年07月01日

コロナ禍を越え、新たなつながりを見出す市民参加事業

大型市民ミュージカル『君といた夏~スタンドバイミー可児~』略して「君夏(キミナツ)」は、アーラが実施する大型市民参加事業の一つとして、2011年度に始まりました。下は小学1年生から上は上限なし、100人ほどの出演者全員を毎回市民オーディションで集めています。稽古は秋口から始まり、年をまたいで3月初めの土日に公演を行ってきました。他の2つの大型市民参加事業と年替わりで行われるので、「君夏」はこれまで3回、公演を行っています。本来4回目の公演となるはずだった2021年は、コロナ禍により翌年へ延期。感染拡大の収束が見込めないことから、更にもう1年延期となってしまいました。

可児市を題材とした「君夏」は、過去3回の公演を経て、多くの市民から愛される「わが町の作品」となっていました。役柄によっては年齢制限もあるため、「次はあの役をやりたい!」と意気込む子どもたちも少なからずいます。ただでさえ3年に1回しかない公演を、更に2年も延期したのでは、やりたかった役をやれなくなってしまうという子もおり、みんなの作品への思いも薄れていってしまうのではないかという危機感を感じました。何かできることは無いかと模索した結果辿り着いたのが、映像製作でした。自分で踊ったり歌ったりした動画を送ってもらい、それを繋いで映像作品を作る形であれば、感染症を気にすることなく、市民参加の事業が出来るだろうと考えたのです。ただ、何分初めての事で、蓋を開けてみれば課題は山積みでした。それをひとつずつ解決しながら、やっと完成に漕ぎ着けたのは、上映会の当日でした。最終的に市民から集まった動画は51名分。稽古も満足に出来ない状況下で、これだけの人たちが頑張って慣れない動画を撮ってくれたことは、本当にスゴイと思いました。また、今回は動画投稿型の映像製作としたことで、舞台公演の形では参加することが出来なかった、今は可児市を離れた過去の出演者が参加できたことが何よりの収穫でした。当時の少年役が立派な青年に成長した姿を見せてくれたり、遠くドイツから歌声を届けてくれた人もいたり。時間や距離を越えたつながりを、強く感じることが出来ました。

企画を進めながら何よりも感じたことは、この「君夏」という作品は、出演者だけではなく、関わったスタッフ、裏側からサポートしてくださった人達、舞台を観た人たちに至るまで、一人ひとりがとても強い思い入れを持って成り立っているのだということです。この思いを途絶えさせることなく、次へ繋げるために、今回の映像は作られたのだと思います。

3月5日に行われた完成記念上映会での本編上映終了後、ゲストに「君夏」演出の黒田百合さん、振付の神崎由布子さん、歌唱指導の満田恵子さんを迎えてのトークでは、懐かしい過去を振り返ると共に、これからの「君夏」についても熱く語られました。この完成記念上映会は、大事なバトンが次へと渡された日になったのだなと思います。

事業制作課 中尾


創作日程 2021.9~2022.3(歌唱・ダンス指導用映像制作、稽古・指導)
公演日程 上映会 2021.3.5
会  場 ala 主劇場
集  数 190人
参 加 者 51人
講  師 作・作詞・ナレーション:瀬戸口 郁
     演出:黒田 百合
     音楽:上田 亨
     振付:神崎 由布子
     歌唱指導:満田恵子
     撮影・編集:矢島 幹也(トイ・ファーム)
協  力 丹羽 弘樹、三宅 孝秀、(株)ケーブルテレビ可児