
原作は1938年の初演以来、世界中で愛され続けている演劇『わが町』。今回のアーラの市民参加プロジェクト第6弾では、この『わが町』に市民70名が挑戦します。
舞台は岐阜県南部に位置する可児市。ここに住む人々のありふれた日常の暮らしと、その人生についての物語。『わが町』の世界を生かしながら、いきいきとした可児の町の物語へと再生し、原作にひそむ「大切なもの」を問いかけます。
ソーントン・ワイルダーの名作「わが町」を、歴史や出来事、地理的概要など全ての設定を可児市に置き換えた作品です。これは、平成22年度にタイトルを「わが町可児」として初演し絶賛されました。今回、文学座の高橋正徳による新演出で、市民キャストと文学座からの客演陣を迎え3年ぶりに再演いたします。
朝起きて、夜眠る、そんなありきたりで平凡な一日。その日々の繰り返しのはてに死が待ち受け、また新たな生が生まれる。そんなごく普通の人間の人生の一瞬一瞬のかけがいのなさを、架空の町に住む二つの家族の日常と、両家の子ども同士の恋愛と結婚、そして死を通して、静かにそして強く訴える不朽の名作。
この町に暮らす奥村家と松井家にいつもの変わらない朝。それはいつもの朝で、ありふれた一日。
恋に落ちたふたりの結婚式の日。それは幸せにあふれた朝、ふたりにとって少し特別な一日。
別れの日。自分にとって、家族にとって、人間にとって大切なものとは。
この世のものではなくなった朝、大切なものに気づいた日。