劇作家・松田正隆の90年代“静かな演劇”の金字塔がいよいよala Collectionシリーズに登場します。 松田氏が故郷の長崎の町を舞台に描いた「坂の上の家」、「海と日傘」と並ぶ「長崎三部作」の第一作目にあたり、のちに映画化もされ、その名を全国に知らしめた傑作戯曲。庶民のささやかな日常から戦争の不条理をじわりと炙り出す、本作を「人の心」に焦点を当てる演出家・藤井ごうと実力派の俳優陣によって舞台化します。 戦争に翻弄されながらも真っ直ぐに生きる若者たち。 愛とは、友情とは――。 あの頃の彼らが現代へと綴る<つながりの物語>。私たちにとって本当に大切なものとは・・・。
昭和20年春の九州。東京大空襲で両親を失い、兄夫婦の家で慎ましく暮らす悦子の元に、とある縁談話が持ちかかる。相手は整備工の永与少尉で、彼を紹介したのは、悦子が密かに想いを寄せる飛行兵の明石少尉だった。ぎこちない見合いながらも、お茶やおはぎの話題を通じて、次第に心を通わせていく悦子と永与。一方の明石は特攻隊に志願し、出立を前に紙屋家を訪れる。短くも二人きりの時間を持った悦子と明石は、想いを胸に押し込めて対面するのだった――。
ala Collection シリーズとは |
新作主義の日本の演劇界に対して消費されゆく過去の優れた戯曲に焦点を当て、リメイクして作品を再評価するプロジェクトです。また、アーチスト・イン・レジデンスを基軸として、第一線で活躍するキャスト・スタッフが可児市に滞在しながら作品を制作し、可児市から全国に発信する質の高い作品づくりを目指しています。 |