会場に足を踏み入れたとたん、目に飛び込んできたのは、水牛の群れやキリンの集まり、シマウマの集団走行、ミーヤキャットの日向ぼっこなどのジオラマ。まるでアフリカの動物保護地区を空から見ているようです。水野政雄先生のアートの世界です。紙コップにハサミを入れ、顔や足、しっぽなどを作り込み、絵の具で色を付けて出来上がった動物はまるで動きだすくらいのリアルさです。来場者の方は「いろんな動物の群れを見ていると、紙コップであることを忘れてしまいそうです」「生き生きとして、まるで動き出しそうね」「木の緑は紙皿、建物は紙コップ、ロケットもあり宇宙飛行士も居たわよ」と親子で発見しながら楽しそうに見て回っていました。“水野ワールド”に引き込まれてしまっています。水野先生は最初に「紙コップや紙皿は一度使うと捨てられてしまいますね。これで何か作り出せないものかと考えた“もったいない精神”から生まれた作品です」と穏やかに話されながら、細長い紙に目を付け、その紙をしごいて机の上におき、ストローで息を吹きかけるとシャクトリ虫の出来上がりー。パッパと作ってまるでマジシャンです。ワークショップに参加の子供たちも紙をもらって作ります。ふぅーとストローで吹く子ども達の前でシャクトリ虫が這い出します。「おもしろーい」と歓声が上がります。その後、紙コップでウサギを作ったり、紙皿でオウムを作ったり「面白い!家でお母さんと一緒に作ってみるよ」「夏休みの工作ができたよ!」と満面の笑みです。サバンナアート展は8月17日~25日まで美術ロフトで催され、およそ1300人の方が来場されました。この作品に触れ、身近なものでもアートになるということを教えられました。