■「向日葵の柩」制作発表(東京)でのコメント
家族と自殺をテーマにしてきたが、それはたまたまではなく、やはり自分が一生負うべきテーマだと今でも変わらず思っている。自殺と家族の問題は17年前の問題ではなく、今の問題でもあるし、これからも必ず問題にしなければいけない問題だと思っております。
この作品は、書いて提供しただけではなくて毎日、演出台の隣にならんで稽古を重ね、戦っていました。17年前ということは今、39歳なので22歳のときにでた作品です。21歳に書いた言葉が、今どうなんだろう、通用するのだろうか、と思います。この作品は、6本目だったと思いますが、この作品で世に出た、広くいろんな人に観られた作品です。そのあと『魚の祭』で岸田國男戯曲賞をとって、その後演劇を離れて、小説を書いて、今も小説を書いている。小説のことでインタビューに応えていたとき、「演劇はやらないのですか」と聞かれ、「やらないわけではないが、ちょっと・・・」としているうちに15年がたってしまいました。ずっと演劇に対して後ろめたさが合って、裏切っているような気がしていました。芝居やりたいなと思っていたときに、衛紀生さんからお声がかかって、金守珍さんと芝居がつくれることになりました。自分で芝居やりたいな、観客に問いたいなと思っても、なかなか踏み出せないが、風がふいてくると風におされて、やらなければならないなと思います。この向日葵公演をきっかけに、新作も書いてみたいなと思います。観客として出会うひとりひとりの顔を見て、次の一歩を考えたいと思います。 |